洗剤に含まれる合成界面活性剤は、どんなに薄まってもなかなか分解されないのが特徴です。なんと、合成界面活性剤を含んだ排水は10~30年以上も分解されないと言われています。その間に河川の水質、土壌、生物や植物などに影響を及ぼします。とくに問題なのが、河川に生息するバクテリアが死んでしまうこと。バクテリアは有機物を分解し、河川を浄化してくれる大切な生き物です。これがいなくなってしまうと河川の有機汚染が進み、さらには生物間の食物連鎖バランスまで崩してしまうのです。
昔は、河川に流れ込む排水で川が泡立っている……なんて映像が見られましたが、最近はそうでもありません。なぜなら、泡だけが早く消えるように洗剤が改良されているからです。目には見えにくくなっていますが、現実には多量の合成界面活性剤が河川に流れ込み、分解されずに残留しているのです。使用するほどに水を浄化していくような洗剤でない限り、環境への負荷はまったくないとは言い切れません。
河川に流れ込んだ合成界面活性剤は細胞組織を壊してしまう力があるため、動植物にも影響を及ぼします。魚はエラの組織が壊され呼吸ができなくなり、死んでしまいます。また、奇形が発生したり受精率が低下して卵がふ化しないなど、その生態系に大きな影響を与えているのです。植物においては、根に合成界面活性剤が吸着して、成長を阻害されてしまいます。そういえば、昔より数が減っている魚、植物などが多くなっていると思いませんか?